高級注文住宅は火事に強いのか

無垢材などの自然素材で建てる高級注文住宅。憧れる人が多いのと同時に、誤解されやすいことのひとつが、火災への耐性です。「木造住宅は火事に弱いのでは？」と不安な方に向けて、木造住宅の家事への耐性について、素材の特性などを踏まえて解説します。

火事への耐性は？

日本の住宅の多くは木造です。また、高級注文住宅を建てるときは、国産木材や無垢材を使用した木造住宅を選ぶ人が多いでしょう。自然素材に囲まれた暮らしは、心を豊かにしてくれることはもちろん、健康面でも安心感があります。

憧れの木造住宅ですが、火事への不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、木造住宅は火事への耐性が高い住宅です。建材としての木材は、火に対して耐性があります。また、高級注文住宅は、木材以外にも自然素材が使われていることから、万が一燃えたときに有毒ガスが発生するリスクも低いです。

住宅火災で死亡する原因として最も危険なのは一酸化炭素。そして、有毒ガスにも気をつけなければいけません。有毒ガスは、断熱材として使用されるウレタンフォームなどのウレタン、壁紙として使用される塩化ビニルといった素材が燃えるときに発生します。安価な建材のため、最近の住宅ではよく使用されている素材です。火災が起きてこれらの素材が燃えると、有毒ガスが発生してしまいます。一酸化炭素が最も危険ではありますが、こうした安価な素材が燃えるリスクも考慮しておく必要があるでしょう。自然素材で建てられる高級木造住宅は、木材そのものの火に対する耐性が高く、燃えた時のリスクが低い住宅だと言えます。

木造住宅は意外と火災に強い

「木造住宅は火災に弱い」というイメージを持つ人も少なくありません。焚火や暖炉など、木を燃やして活用してきた私たちにとって、燃えないイメージの鉄骨より燃える木の方が火に弱いような気がしてしまうのは無理もありません。しかし、燃やすために加工された木であっても、火をつけようとして苦労した経験はありませんか？建材に使われている木は、燃えやすいように加工されておらず、簡単には燃えません。もちろん火災のように強い火にさらされると、木は燃えます。しかし木造住宅は、意外と火に耐える力が強いです。

火災に強い理由は？

なぜ木造住宅が火に強いと言えるのでしょうか？木造住宅が火災に強い理由は、大きく分けて2つあります。それは建材と構造体です。木造の仕組みを知っておくと、安心して暮らせます。ここでは木造住宅が火災に強い理由を確認しておきましょう。

使用されている建材によるもの

漆喰

高級住宅によく使われている素材に漆喰があります。「無添加」「自然素材」を重視した家づくりにおいて、内壁や外壁、天井などに使用する建材です。漆喰は防火性に優れているため、古来よりお城の建材としても使用されてきました。炭化コルクと組み合わせることで、より防火性能は高まります。自然素材のため、万が一燃えたとしても、有毒ガスが発生しません。住む人の安全を守ってくれる建材のひとつです。

炭化コルク

炭化コルクは、断熱材として使用されています。バージンコルクやワイン栓のコルクの残りなど、廃棄利用した素材です。断熱材としてよく使用されるグラスウールやロックウールとは異なり、化学接着剤は使用されていません。コルクは自身のヤニで固形化します。炭化コルクは難燃性です。仮に火がついても炭になるまでが極端に遅いため、火災時に一気に燃え広がりません。逃げる時間を稼いでくれる建材です。

構造体としての木は燃えにくい

高級住宅において、木材は構造体として使用されています。構造体の木は、太く丈夫です。そもそも火がつきにくいですが、万が一火がついても、耐える力が強い素材です。表面が焦げて炭化すると、内部に火が入るのを防ぎ、変形するまでの時間が長いということが分かっています。木の構造体は、中まで燃えにくいということです。鉄骨は木造より早く変形して曲がってしまいます。家が燃えたとき、崩れずに堪えてくれる時間が長いのは木造です。つまり、火災が起きたことに気づき外に逃げるまでの猶予時間は、木造の方が長く確保されているということになります。住宅は、燃え始めてから崩れるまで耐える時間が長いことが重要なのです。

まとめ

高級木造住宅は、鉄骨造りと比較して火災に弱いと誤解されがちです。しかし、実は鉄骨造りより火災への耐性があります。自然素材の漆喰や炭化コルクも耐火性能が高く、構造体の木材とあわせて使用することでより耐火性能が高まります。火災が発生しても長時間変形を食い止めてくれるのは、高級木造住宅のメリットなのです。

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