高級注文住宅は台風に強い？

毎年日本国内で大きな被害を出している台風。強い雨や風により、家が損傷してしまうこともあります。では、「高級」と言われる注文住宅であれば、台風による被害は防ぐことができるのでしょうか。今回は台風による住宅被害について解説していきます。これから注文住宅を建てる方は、ぜひ、参考にしてください。

台風に強い家は木造かコンクリート造か

確かにコンクリート造の家屋は堅牢で、台風の被害を受けにくくなっています。沖縄県は台風の通り道であり、年間平均で約20個の台風が通過するため、台風被害が多く、コンクリート造の家が一般的となっています。しかし、近年は木造住宅も増加しており、適切な木材と工法を用いれば台風に耐えられることがわかっています。

木造住宅の台風対策としては、技術が進歩した筋交いや補強金具があげられます。柱と梁を斜めにつなぎ、風圧による建物のねじれや倒壊を防ぐのです。また、木造でも平屋建てであれば、2階建てと比べて風圧を受ける面積が少なく、台風の影響を軽減できます。そのため、沖縄県では昔から平屋が多いのです。

台風・暴風による被害の原因は

特に台風被害を大きくするのは3つの原因があるといわれています。1つ目は「巻き上げる力」・「引き抜き力」です。具体的には下から巻き上げるように吹く風が、飛び出ている屋根の軒や庇を破壊してしまうのです。

ここが破壊されると、そこからさらに風が吹き込み、屋根全体が押し上げられて飛んでしまいます。そのため、台風対策として、屋根の軒や庇の補強が重要だとされています。2つ目は台風の強風による飛来物です。看板や木片などさまざまな飛来物により、外壁などが破壊される被害が想定されます。3つ目は「多量の雨」「雨が吹き込む方向」による被害です。台風のときには上から降るだけではなく、強風によりあらゆる方向から激しい雨が襲いますので、住宅内に雨水を侵入させない対策が必要になります。

「巻き上げる力」・「引き抜き力」対策

「巻き上げる力」・「引き抜き力」対策としては、まず「ハリケーンタイ」という金具を使用する方法が考えられます。これは特殊な形状をした金具で、たる木と母屋・軒桁・棟木を接合するものです。巻き上げる力が集中しても破壊されにくい非常に堅牢な補強です。

また、「耐風圧シャッター」も有効な方法です。通常のシャッターの場合、台風が引き抜く力に負けて両端のレールから外れてしまうという被害が起きます。しかし、耐風圧シャッターであればそのような被害を防げます。通常の住宅ではS-2クラスの耐風圧性能が多く800Pa（Pa：面積1㎡当たりに耐えられる風圧を等級で表したもの）となっています。

ただ、対策を万全にするのであれば、耐風圧性能が2000PaあるS-4クラスが推奨されます。そして、屋根が飛ばされない「防災瓦」と「ルーフィング加工」も台風対策に実施しておきたい方法です。防災瓦は、すべての瓦を釘やネジでしっかり固定したもので強風でも飛びにくいものです。ルーフィングとはルーフィングシートとも呼ばれ、瓦やスレートなどの屋根材の下に葺く防水建材のことです。これらの加工をおこなえば、屋根が飛んでしまう心配も低減できます。

飛来物対策

飛来物対策として考えられるのは、まず、外壁対策です。他の外壁材と比較して、タイルは非常に傷に強いので、外壁材はタイルがおすすめです。台風の飛来物による外壁損傷を最小限に抑えることができます。また、窓への対策も重要です。強風に強く（耐風圧性S-4）、雨水の侵入を許さない（水密性W-5）高性能サッシの採用が対策として有効です。

「大量の雨」と「降ってくる方向」対策

上記の窓対策により、窓から侵入する雨水は防ぐことができます。しかし、雨が侵入しやすいのは窓だけではなく、外とつながる換気扇にも注意をしなければなりません。有効な手段は「外風雨侵入対策型換気フード」で、外風の逆流を防ぐことです。

「豊かさ」「余白」「美しさ」「素材」
全てにこだわった
岐阜の高級注文住宅の施工事例集

台風対策に強い注文住宅は専門業者へ依頼

「高級注文住宅」の場合、資金をかけられるので、災害対策が整っている場合が多いでしょう。しかし、「大丈夫なはず」ではなく、きちんと、どのような対策がされているのかを確認することが重要です。

一方、「高級」を謳っていなくても、災害対策がされている注文住宅はあります。肝心なことは、災害対策の知識、技術、情報力を持っているところに家づくりを依頼することです。

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